森を育む家は、人間が科学技術で作り出した化学物質を極力使わずに建てることができます。住む人の考え方に柔軟に寄り添って。
基本的に、
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- 合板や壁紙は使わない。
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- 床材や壁材を接着しない。
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- 内装や外壁に塗装しない。
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- 土台の防蟻処理はしない。(檜やひばを使っているから必要ない)
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- 屋根の下地となる野地板も挽きっぱなしの杉材。
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- 木製の建具も無垢材でつくる。
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- です。
住む方の希望で壁紙や接着剤を使ったり、塗装したりすることもあります。私たちのすすめる川崎型森を育む家のなかで、第5号住宅は、人類が合成した化学物質をできるだけ排除して造りました。上にあげた基本項目の他に
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- 内装は浴室以外はすべて無垢の杉板貼り。浴室は石貼りと無垢の檜貼り
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- 床も浴室以外は杉や唐松の無垢の板貼り。浴室はコンクリートの土間に檜の簀の子
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- 外装も無垢の杉板貼り。
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- キッチンも無垢の杉材のカウンターで、食器棚も無垢の杉材で。
- 洗面所の洗面台も、既製品から、扉や枠をはずし、杉材の枠に乗せてあります。
唯一合板が使われているのは、天窓の枠です。(サッシュの天窓の枠が集成材です)
ここまですると、完成直後の、ホルムアルデヒド等の放出は、国の基準を1桁から2桁下回ります。入居者が持ち込む家具や家電品、本などから放出される合成化学物質が気になるレベルです。
これでもコストの面でコンセントや、電気系統にはプラスチック部品を普通に使い、木製の建具や家具は接着剤を使っています。ですから、重症なアレルギーや化学物質過敏症の方にはまだまだ不十分な住環境かもしれません。
ケミカルインダストリーが日々新しい化学物質を作り出している今日、人体に有害な化学物質の研究は、なかなか追いつきません。まして、2種以上の化学物質による複合的な害はほとんど研究されていないと言っても過言ではない状況です。必要のない合成化学物質を極力摂取しないことは健康を保つ上で最も重要なことの一つではないでしょうか。また、合成化学物質のほとんどない家は、処分するときにも安心です。何の化学処理もしていませんし、薬品の付着もないので、古くなったその時には、解体し薪にしても安心です。(蛇足ですが、砒素で処理された建築用材は、薪にして燃やすと、焼却灰に砒素が残り、畑にまくと危険です。)